
血液検査では、肝臓の異常、腎臓の異常、貧血、脂質異常症、糖尿病など、数多くの病気のリスクについて調べることができます。
当院では、ご希望によって定期的な血液検査を行い、結果を長期にわたり観察していくことで、患者様お一人お一人の健康管理をサポートいたします。
普段の生活習慣なども伺いながら、健康管理のパートナーとして信頼していただけるよう努めてまいります。
血液検査のチェックポイント
チェック1 脂質異常症(高脂血症)
項目:HDLコレステロール/LDLコレステロール/中性脂肪
この3つの数値から、脂質異常症(高脂血症)のリスクがわかります。脂質異常症は動脈硬化を引き起こすため、改善が必要な病気です。
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HDLコレステロール
低いと注意!(基準値:男性40-90mg/dL 女性40-100mg/dL)
善玉コレステロールともいわれます。次項の「悪玉コレステロール」を肝臓に運んで血管を掃除する役割を果たすため、多いほうが望ましい。
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LDLコレステロール
高いと注意!(基準値:70-139mg/dL)
悪玉コレステロールともいわれます。身体に必要なコレステロールを運ぶ役割をしているが、余ると血管に残り壁にこびりついて血管を細くしてしまう。多すぎは危険。
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中性脂肪(T-G/トリグリセライド)
高いと注意!(基準値:50-149mg/dL)
中性脂肪はエネルギー源として利用され、余った分は内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えらえます。多すぎは危険。
チェック2 高尿酸血症
項目:尿酸(UA)
この数値から、「高尿酸血症」のリスクがわかります。
尿酸の結晶が関節などにたまると、激しい痛みを引き起こす発作(いわゆる「痛風」)を起こす原因になります。
高尿酸血症が続くと痛風以外に腎機能障害や尿路結石を起こすことがあります。
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尿酸(UA)
高いと注意!(基準値:男性3.8-7.0mg/dL 女性2.4-7.0mg/dL)
プリン体という物質が体内で分解されてできる燃えカスで、プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、体内で作られています。
チェック3 腎機能の低下
項目:尿素窒素(BUN)/クレアチニン(Cr)
尿酸値と併せて腎機能の低下の有無がわかり、慢性的に腎臓の働きが悪くなる「慢性腎臓病(CKD)」を発見できます。
CKDは腎臓の働きが悪くなるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、心不全のリスクが高くなり、注意が必要です。
腎機能が悪化すると血液透析が必要となってしまいます。
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尿素窒素(BUN)
高いと注意!(基準値:8.0-20mg/dL)
蛋白質が体内で分解されたときにできる老廃物です。
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クレアチニン(Cr)
高いと注意!(基準値:男性0.40-1.14mg/dL 女性0.31-0.88mg/dL)
筋肉にあるクレアチンという物質から産生される物質で、尿とともに体外へ排泄され、腎機能の指標となります。
チェック4 糖尿病
項目:血糖/ヘモグロビンA1c(HbA1c)
この数値から「糖尿病」のリスクがわかります。
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血糖
高いと注意!(基準値:空腹時70-109mg/dL)
食事の影響を受けるため、検査を行ったのが空腹時か、食後かに注意する必要があります。
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ヘモグロビンA1c(HbA1c)
高いと注意!(基準値:4.6-6.2%)
HbA1cは赤血球に結びついたブドウ糖のことをいいます。赤血球の寿命は約1か月であるため、HbA1cの値は1か月の血糖の推移を反映します。血糖値が高い状態が続くと血管が障害をうけ、合併症を引き起こす危険性が高まるので、血糖のコントロールが重要です。
血液検査の内容や項目については、症状や疑われる疾患によって適切な選択が必要です。気になる症状がある方は、お早目にご相談ください。