咳喘息について
風邪は治ったはずなのに、咳だけが残っているという状態が数週間続いたら、それはアレルギーによる咳(咳喘息)かもしれません。
咳喘息は、咳が慢性的に続く気管支(呼吸の際の空気の通路)の病気です。一般的な喘息と同じく、アレルギー物質などをはじめとした様々な刺激に対して過敏になり、炎症を起こして、咳の発作が起こります。
原因として、室内外の温度差、たばこの煙、飲酒やストレス、会話や食事・運動などの生活習慣のほか、ほこりやダニ、ハウスダストなどが考えられております。
咳喘息は、特にアレルギーをお持ちの方に比較的多く見られます。また、風邪などの感染症が引き金となって起こることが多く、風邪を引いたあとに2~3週間以上咳が続くようであれば、咳喘息の可能性があります。
比較的、女性に多い傾向があり、再発を繰り返すことも多いのが特徴です。
咳喘息の検査
血液検査でアレルギーの反応を確認します。
血中の総IgE検査によるアレルギー体質のチェックと、ハウスダスト、カビ、ダニなどに対する特異的IgE検査によるアレルギーの原因物質への反応を確認します。
当院では、問診と診察を大切にしています。診断に大切な経過の確認と、胸部の聴診、必要に応じてレントゲン、血液検査を行い診断いたします。
咳喘息の治療
咳喘息には、通常の風邪薬や抗生物質、咳止めは効きません。そのため、当院では下記の薬を処方し、治療を進めていきます。
- 吸入ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤
- 気管支拡張薬
- 抗アレルギー薬
数週間で改善されることが多いですが、症状が良くなったからと言って薬を中止すると再発することがあるため、数カ月間、薬を継続する必要があります。
また、患者様あるいは同居のご家族に喫煙者がいらっしゃる場合は、禁煙も必要になります。
咳喘息は自然に治ることもありますが、30%は気管支喘息に移行するとも言われております。喘息に移行し、難治化するのを防ぐためにも、適切な治療をしっかり受けることが大切です。